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誕生

コブシメの赤ちゃん 10/06/13 奄美大島

コブシメの赤ちゃん 10/06/13 奄美大島

コブシメの繁殖期はその年によったり、地域によったりで変わって来るのですが、早いときは3月ごろ、遅いときは7月を過ぎても産卵行動が見られたりします。奄美大島では春の連休前に見たこともありますし、6月の終わりに見たこともあるのですが、これは伊豆のアオリイカがほぼ1か月以内に集中していることを考えるとずいぶんバラついているような印象を受けます。コブシメの産卵時期を決める要素はいったい何なのでしょうかか?

今回の奄美大島ではすでにハッチアウト寸前の卵がたくさん産みつけられているのが観察できました。産卵から孵化までの期間は1か月半から2か月だそうですから、逆算すると産卵はちょうど連休のころと思われます。そう言えば昨年もハッチアウト寸前の卵をほぼ同じ時期に見ているので、おそらく平均的な産卵期はその頃なのでしょう。

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アゴ・マクラつき

ギンガハゼ 2010/04/29 石垣島

ギンガハゼ 2010/04/29 石垣島

 マスコミ業界には「アゴ・アシ・マクラつき」などという業界用語がありますが、要はスポンサーが宿代・交通費・食事代を負担して取材に来てもらう・・・・ということ。メディア側としてはネタさえ面白ければ取材費が安く上がるし、スポンサー側としてみれば広告を出すより安く上がるという、ま、一種の「共生関係」(度を超すと「癒着」ともいう)ですな。で、海の中の「共生」にも、「マクラ」「アゴ」についてはいろいろ取引関係があるようです(コバンザメとかソメンヤドカリなどは「アシ」もかな・・・)。

 共生といえば代表格のように引き合いに出されるハゼとテッポウエビに関して言うと、まずエビは「マクラ=宿」を提供する。で、ハゼはなにを提供するかというと、「見張り役」を引き受けるというのが定説です。では「アゴ=食事」はどうかと言うと、どうやらこれも共生関係の一要素らしいのです。

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熱烈求愛

エラブウミヘビ 01/10/2010 石垣島

エラブウミヘビ 01/10/2010 石垣島

?沖縄などで潜っていて、あまり見たくもないのに見てしまうものの代表が「エラブウナギ」でしょう。これを書くにあたって、正式な名前はどうなのかと調べてみると、「エラブウミヘビ」・・・・ほとんどそのままでした。もちろん爬虫類に属し、コブラの仲間というと恐ろしそうですが、確かに猛毒はもっているものの、毒を出す歯は口の奥のほうにあるので普通噛まれることはないようです。よく似た種類にヒロオウミヘビというのもいるそうですが、エラブの黒い縞が下に行くほど細く、逆台形状になっているのに対し、ヒロオは上から下まで同じ太さということで区別がつくそうです。ということで、上の写真はエラブウナギでいいわけですね。

いつもは呼んでもいないのに、どんどん近づいて来て、足の下を通り過ぎたりするため、気持ちが悪いだけなのですが、この時はペアと思われる2匹が求愛行動らしき動きをしていたので、生態ウォッチング派としては無視ができません。しかし、蛇だけに動きもなにか意味ありげで、見ているだけでも恥ずかしくなるような激しい求愛です。

で、気になるのはこの先ですが、残念ながら今回見られたのはここまで。ガイドさんの話によるとそのまま水面まで上がって、絡まるように交尾するのを見たことがあるということですが、いろいろ調べてみると夜間に陸上に上がって交尾・産卵することもあるようです。いままで、なんとなくパスしてきたウミヘビですが、調べてみるといろいろ面白いことがありそうです。


エラブウミヘビの求愛行動 mp4

ガォーッ!

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ハナキンチャクフグ 05/01/2009 奄美大島

大きな口が、歯を剥いて迫る!!

危うし、ハナキンチャクフグの赤ちゃん!

本当はたまたま前にいただけで、貝がさかなを食べるわけではありませんが・・・・。

南の島で潜っているとよく見るこのうすらデカい貝。いい機会なので名前を調べてみたら「ミズイリショウジョウガイ」という種でした。貝殻の間に空洞があり、水が入ってることからつけられた名前だそうです。見た目からは信じられませんが、ネット情報によれば「食べると美味」とある。ホントかな?

放してたまるか!

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モンハナジャコ 04/13/2009 奄美大島

エキジット直前に浅場で遊んでいると、2mぐらい先の岩影から何かが上に向かって飛び上がり、大急ぎでまた海底に戻っていきました。瞬間のことでハッキリは見えませんでしたが、エソかなにかの捕食か、さかな同士のケンカのように思えたので、着底したと思われる場所に行ってみると、モンハナジャコが1匹うずくまっていました。普通と違って、逃げもせず穴に隠れることもなく、その場で固まってしまっているので、不思議に思ってよく見ると前足で大きめな貝を抱えていました。貝の種類はよく分かりませんが、ホタテ貝のように平べったい殻を持つ二枚貝で、肉(?)の部分はミントグリーンです。おそらく、ウグイス貝の仲間だと思われます。

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興奮すると耳(?)のあたりの皮弁が開いて派手な黄色が目立つ

最初、モンハナジャコの身体と貝があまりに一体化していたので、本当に貝であることを確かめようと、ちょっとプレッシャーをかけて放させようとしたのですが、敵もさるものいくら脅してもしっかり抱え込んで放そうとしません。しばらく戦っているうちに、貝の位置がズレて反対向きになり、やっと貝であることが確認できたのでした。結局最後まで、貝を抱え込んだモンハナジャコは何処かへと去っていきましたが、あの執念を見るとよっぽどのごちそうなのでしょうね。

それにしても、この貝を獲ったとき、どうして上のほうにジャンプしたのでしょうか? 貝が泳いでいたのか、それとも他のさかなか何かから奪い取ったのか???

エビは強し

hazeebi4.jpgクロホシハゼとクマドリテッポウエビ 04/11/2009 石垣島 

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mp4 10MB ダウンロード完了までしばらくお待ちください

何回も取り上げているので「またか」と思われるでしょうが、やっと動画が撮れたので、しつこいとは思いますがもう一度。まさに動画向きというこのシーンに出遭ったときは、なぜかいつもスチルカメラしか持っていなくて、その後ずっと機会を狙っていたのです。しかし、クロホシハゼも個体によって性格の違いがあったり、タイミング的に「満腹?」だったりで、いつもいつも巣穴から乗り出してきて海藻を運んでくれるとは限りません。この日のクロホシ君もかなり臆病な性格のようで、海藻を少し遠めに置くとなかなか出てきてくれないのでした。

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ナマコマニア


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樹手目ナマコの1種 02/22/2009 伊豆海洋公園

寒さに負けて引き篭もっていましたが、このままではドライスーツが着られない身体になってしまう・・・と危機感を覚え、古くからの潜り仲間に誘われたのを機に伊豆に行って来ました。幸い、天気も海のコンディションもよく、伊豆ブランク・ダイバーも無事潜ることが出来ましたが、水温は1年でいちばん低い14℃前後。それでも、海の中にはアントクメの若芽や浮遊物が目立ち、春が間近なことを感じさせてくれます。

エントリー前に奄美大島で見た樹手目ナマコの話をしていたら、瓜生さんが岩の間から腕を広げている触手を指し示してくれました。直径は15cm強ぐらいと奄美のものよりは小型ですが、それでも結構な大きさです。なんで今まで気づかなかったんだろう・・・。種類はおそらくイシコに近い仲間と思われますが、ナマコの同定は体内にある骨片を見ないと分からないそうで、写真だけではなんとも言えません。「骨片」って何?・・・と思って、瓜生さんが持っていた古い図鑑を見せてもらうと、顕微鏡写真が一枚だけ載っていました。ミネストローネ・スープに入っている輪切りのマカロニみたいなヤツですが、どこで違いを見ればいいのかは、さっぱり分かりませんでした。

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触手は奄美大島で見たものと同じ10本で、やはり代わる代わる口に運んで、餌を食べていました。拡げた触手の先は枯れ枝のように細かく枝分かれしていますが、口に餌を運ぶときはウミシダみたいなモジャモジャのかたまりになります。奄美では明るい白い砂の上でしたが、ここは水深20mに近い暗い場所だったので、不気味さもひとしおでした。(笑)

未知との遭遇

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樹手目ナマコの1種 01/11/2009 奄美大島

さかなやウミウシに興味を持っているダイバー(研究者)は多いので、ふつうに見ると「いったいドコが違うのよ~」というぐらいの違いでも、アッという間に「新種だ、別種だ」の話で盛り上がります。それほどポピュラーではありませんが、甲殻類もファンが多いので、ちょっと調べれば大抵のものは名前ぐらい調べがつきます。ところが、他の無脊椎動物、とくに棘皮動物とか、刺胞動物になると、資料も少なく、「いったい何の仲間?」というところから始まって、名前のないようなヤツがゴロゴロしているから困ったものです。

さて、奄美大島で見かけた上の画像の物体。直径が35cmはあろうかという大物なのに、これまで見たこともない生物でした。イソギンチャクにも見えるし、腕のあたりの質感はトサカのようでもあり。いろいろ考えた挙句、「ヒョッとしてナマコの仲間?」と思いついて調べたら、やっと当たりがありました。ナマコの中でも「樹手目」という仲間に属する1種なのですが、この仲間では観賞用としても人気のあるアデヤカキンコ、伊豆や東北に分布するイシコの他は、ネットで調べても「樹手目の1種」とされたものばかりで、ほとんど種の同定はされていないようです。

 

で、「樹手」という名にふさわい「枝」の部分ですが、これは触手になります。よく見るナマコは、口の周囲の短いヒゲのような触手で海底の小生物などを捕食していますが、樹手目の場合は触手を伸ばして水中を漂うプランクトンなどを捕食しているわけです。この捕食の動きが実に面白いので、以下の連続写真で紹介することにしましょう。

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ホエール・ウォッチング


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mp4  12.3MB(ダウンロードが終わるまでしばらくお待ちください)

ここしばらく動画を掲載しませんでしたが、奄美でハウジングのトラブルがあり水中での撮影ができなかったのです。しかし、ビデオカメラ本体は無事だったので、思わぬ映像が撮れてしまいました。

ザトウクジラが冬から春にかけ、日本近海にもやってくることはよく知られていますが、ホエール・ウォッチングできる場所というと小笠原や座間味、久米島あたりが有名です。しかし、1月下旬から3月頃までは、奄美大島南部の大島海峡にもしばしば現われることは案外知られていません。僕も10年近く奄美に通っていて、クジラが見られることを知ったのはここ1~2年のこと。しかし、なかなかめぐり合いのチャンスはやって来ませんでした。

ところが、今回、朝起きて部屋からホテルの庭を見ると、ホテルのスタッフが2~3人ただならぬ様子で海のほうを見つめています。その先にある対岸の加計呂麻島の海岸あたりをよく見ると、海面に流木のような黒いものが・・・。ビデオを最望遠にして見ると、確かにクジラの背中です。さっそく、この日の1本目を潜る前にボートでクジラ探ししてみることになりました。

クジラは外海の方角に移動していましたが、すぐに沖合いのほうで潮吹きと、テールアップが確認できました。クジラを脅かさないようゆっくり近づいていくと、一旦海中に潜っては、数分でまた別の場所に現われ・・・ということを繰り返し、何回もその姿を見せてくれたのです。しかも、水面で休憩中は数分間に渡る長い時間、間近でその姿を観察することができました。

 

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別に追い回した訳ではありません、長い間水面を漂ううち

自然にボートに近づいてしまったのです。

あちこちに突然浮き上がってくるので正確な数はわかりませんが、少なくとも3~5頭ぐらいはいるようでした。残念ながら豪快なブリーチングまでは見せてくれませんでしたが、ダイビング前の「行きがけの駄賃」としては十分満足です。僕自身はわざわざホエール・ウォッチングに行くほどのクジラ好きではありませんが、こんな感じで見られるならなかなかよいものです。なまじホエール・ウォッチングが観光化していないので、今回もほぼ2隻のボートで独占状態でしたし、そのぶんクジラもストレスが少ないのか、のんびりとその姿を見せてくれました。

座間味や小笠原ほど遭遇する確率は高くないので、あまり観光の目玉になることはないでしょうが、いつまでもこんな感じで付き合っていけるとよいですね。

所変わっても・・・・

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クロホシハゼとクマドリテッポウエビ 09/21/2008 奄美大島

 クロホシハゼの巣の前に海藻を千切って置くと、ハゼも共生するクマドリテッポウエビも争うようにして巣から出てきて、その海藻を巣に運び込もうとする行動。以前石垣島で見せてもらったのを、「虎穴から出ずんば・・・?」というタイトルで紹介しましたが、同じ行動を奄美大島でも見ることができました。巣穴から出たり引っ込んだりしているクロホシハゼを見つけ、なんとか撮影しようとカメラを構えているとき、ふと石垣島のことを思い出したので、早速近くにあったよく似た海藻を千切り、巣の前に置いてみたのです。効果はてきめん、2~3分するかしないうちにクロホシハゼは海藻にとりつき、間もなくクマドリテッポウエビも出てきて、鋏でさかんに海藻をつかもうとしています。この反応のストレートさには、もう笑っちゃうほど。さっそく近くにいたガイド・スタッフの子も呼んで、一緒に観察することにしました。

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