ゆる求愛

ウバウオ 2007.04.30 伊豆海洋公園

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 海のなかでは、いろいろなさかなや他の生物の繁殖行動が見られますが、前回紹介したボウズコウイカのように激しい求愛行動を見せるものから、対照的に一見何をやっているのかよく分からないほど、目立たない行動をとるものまで、そのパターンはさまざまです。ウバウオは、ふだんも海藻などの陰に隠れていることが多く、存在じたいが地味なさかなですが、求愛行動もやはりのんびりしたもの。いまどきの表現で言えば、「ゆる求愛」とでも言うところでしょうか。


ピッタリと寄り添うペアだが、その後大きな動きはなし・・・

 伊豆海洋公園の送り出しまで戻ってきて、「なにか面白いものでもいないか・・・」と岩の亀裂を覗いていたところ、海藻のような茶褐色の物体がもぞもぞと動くのが目にとまりました。すぐにウバウオだと思ったのですが、いつもならコソコソと海藻の陰などに隠れてしまうのに、ずっとその亀裂のなかから動かないのは不思議だな・・・と思ったのものの、あまり動きもないし、後で見ていた人もいたので場所を譲りその場を離れてしまいました。数分後に戻ってくると、瓜生さんがどっかりその前に陣取って盛んにカメラを回しています。「しまった、どうも様子がおかしいと思ったが、やはりなにかやっていたか・・・」と覗いてみると、なんとウバウオが2匹になっています。さらに見ていると、全長4cmほどのやや色の濃いヤツもチョロチョロしています。そういえばさっきは、穴の奥にいたのをヘビギンポかなにかかな・・・と無視していたのですが、よくよく見ればこれもウバウオでした。大きさと体色があまりに違うので騙されましたが、これがウバウオのオスとメスのようです。後で聞くと、予想に反して大きいほうがメスではないかと言うのですが、産卵しているところを見たわけではないので断言はできません。いちおう、ここは大きいほうをメスとして話を進めます。
2匹の根競べが決着つくのを辛抱づよく待っているのか・・・?

 メスと思われる2匹は、亀裂のなかでピッタリ寄り添い、知らないで見ていればこれが求愛中のペアであるかのようです。しかし、オスが別にいるということは、一見仲良くしているようでも、実は水面下ではメラメラと張り合っていたのかもしれません。そのうち、小さなオスが2匹に近寄ってきました。別にどちらに求愛するでもなかったのですが、数分ほど経って一瞬メス同士の動きがあり、1匹がその場から追い払われました。ペアとなったオスとメスは、亀裂の中で寄り添っているのですが、相変わらずどちらかが積極的に求愛するでもなく、ただもぞもぞと動くだけ。しばらく観察を続けてみたのですが、その後一向に動きはなく、産卵までは確認できませんでした。
 ひまわり潜水のサイト(リンク)によると、ウバウオは二枚貝の貝殻の中で卵を守っているのが確認されています。ということは、ここで産卵すれば亀裂の奥で卵を守っているのが見られるかもしれません。ところで、そのレポートによれば、大きいほうはオスと書いてあるなぁ。。。 卵を守っているのは確かに大きいほうの個体の体色だし、やっぱりこっちがオス?? なにしろウバウオの雌雄二型を確認したのはこれが初めてなので、ま、この件は宿題としておいてください。(^^;;



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