思い込み・・・その2


セダカスズメダイ産卵床の全体画像

 前々から見たかったセダカスズメダイの産卵をじっくり見られたので、大興奮でビデオを回していたのですが、家に帰って再生してみるといろいろ疑問が沸いてきました。その場で思いつけば、いろいろ確認もできたのに、なにせその時は舞い上がってしまっていたので悔やんでみても後の祭り・・・。これではいつまでたっても大発見はできそうもありません。(^^;;
 さて、産卵中のセダカスズメダイ。オスは相当のモテ男らしく、産卵中の卵塊の周囲にはさらに4つの卵塊(パッチ)がありました。それぞれのパッチは卵の色が少しずつ違うのですが、これは黄色(産卵中~産卵当日)→黄緑色→緑色→緑灰色→銀色(目玉発生・孵化直前)というように、産卵後の日数の差によるものです。このあたりは「富戸の波」というホームページで詳しく取り上げられていますが、作者のALABAMAさんの観察によると、卵はいちばん新しいパッチのすぐ隣に産みつけられ、古い順に「時計回り」で並んでいく「傾向」があるそうです。それについての予備知識ぐらいはあったので、まずはそこから確かめてみると・・・・あれっ? 反時計回りだ! 「時計回りの法則」には少数ながら例外もあるようなので、このペアはややひねくれ者だったようです。


上の画像にパッチの境界線を入れたもの。
①が産卵中のパッチ、以下番号が大きくなるほど古いものになる。

 パッチの状態を確認するために、それぞれの境界線を入れ番号を振ってみると、卵が確認できるのは①~⑤までの5パッチなので、最初は産卵から孵化までのサイクルは5日間かと思いました。セダカスズメダイのように複数のパッチを作らないスズメダイは、卵が孵化した後産卵床をきれいに掃除しそこに再び産卵するので、セダカスズメダイも当然そうするものと思い込んでいたのです。ところが、よくよく見ると、右下のほうに卵はほとんどないものの、なんとなくパッチのようなエリア⑥があるように見えるのです。その場で気づけば、アップの画像も撮っておいて確認できたのですが、残念ながらこれも後の祭り。しかし、これが孵化した後まだ卵殻のカスが残っているパッチだとすれば、このセダカは次の産卵床を準備する前に新たな産卵を始めてしまったことになります。あまりにモテモテでその暇がなかったのかもしれませんが、いったい何時掃除をするのでしょうか?
 掃除といえば、③のパッチなどは藻のようなものが生え、あまり手入れが行き届いているように見えません。④のパッチもなんとなく卵がまばらに見えるし、⑤の孵化直前のパッチはかなり周囲に空間があり卵の数が減っているのでは・・・とも思わせます。あまりに産卵が忙しくて、なかなか手が回らないということは想像できますが、だとすればこんなズボラなオスがどうしてここまでモテるのでしょうか? メスももう少し勤勉なオスを選べばよさそうなものなのに・・・・。
 もし実際に手入れが行き届かなくなったとすれば、 もうひとつ理由として考えられるのが、この日かその前日ぐらいを境に、冷水塊のため急激に水温が下がったことです。オスの元気がなくなり、十分働けなくなったのかもしれないし、また水温がさほど低くなかった時期に産みつけられた③④のパッチに較べ、水温が下がった時期に産みつけられた①②のパッチの面積が小さいのも、辻褄が合うと言えなくもありません。
 結局、妄想ばかりが拡がり、なんの結論も出せないのが情けないところですが、さらに沸いてきたもうひとつの妄想についてはまた次回・・・。
 



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