海外デビュー

卵守り中のフグ 2013/6/29 奄美大島

卵を守るフグの一種 2013/6/29 奄美大島

NHK「ダーウィンが来た!」で一躍有名になった奄美大島のミステリーサークル。小さなフグが、直径2メートルにもなる巨大な構築物をつくるという衝撃的な事実は海外でも注目されたようで、英国BBCの撮影チームが奄美にやってきました。ちょうど1年前、NHKが撮影している時に奄美大島に居合わせたのですが、今年もBBCチームと同じ時期(とは言え向こうは40日近くの滞在なのに対して、こちらはたった2日間・・・)。世界の2大国営放送の撮影を目撃するというチャンスはあまりないことでしょう。

撮影機材を設置中のスタッフ

我々が到着した時は、BBCチームも到着直後でまだ本格的な撮影には入っておらず、大掛かりな撮影機材の準備をしているところでした。巨大な照明装置など、持ち込んだ機材はなんと総重量400kgにもなったそうです。潜水器材もリブリーザのため、一度に2、3時間は潜り続けて作業しているそうで、泡も出さずに黙々と作業をしている姿は、まるで月面で活動中の宇宙飛行士みたいでした。

シッポウフグの一種 2013/06/29 奄美大島

作業チームのすぐ近くにあったミステリーサークルは、卵守りの最終段階だったようで、注意していないと見逃してしまうぐらい崩れていました。しかし、中央の土俵のような産卵床ではまだ親フグが必死に卵の世話をしていました。撮影チームの邪魔をしないように急いで撮ったのであまりいい画像ではありませんが、シッポウフグの仲間とみられるこのフグは新種と見られています。奄美から帰った一週間後、東京の国立科学博物館でシンポジウムがあり、フグの専門家である松浦啓一先生の講演を聞く機会があったのですが、形態からも、採取した卵をDNA鑑定した結果からも、これまで報告されたことのないフグであることは確実なのだそうです。新種として記載するには標本をとることが必要なのですが、今のところダイバーなど地元の理解を得られていないので、できずにいるとのこと。

ダイバーとしては新種として発表されるのも楽しみであり、かといって見守ってきたフグが捕獲されてしまうのは切なくもあり。この時代、DNAまで分かっているなら標本なしでも仮記載ぐらいはできないものですかねぇ。



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