どっちが上?

コバンザメ 2014/01/12 奄美大島

コバンザメ 2014/01/12 奄美大島

奄美大島ではいつも南部の大島海峡で潜るのですが、長年通っているので多くのポイントはだいたいの様子が分かっているつもりでいました。しかし、同じポイントでもアンカーを打った場所からいつもと違う方向に行ってみると、思いもかけぬものに出会うことがあります。そのポイントも深いほうはダラダラと砂地の斜面が続くだけなので、あまり面白いさかななどは居ないと思っていたのですが、なんとコバンザメが群れている・・・というので早速見に行ってみました。マンタなどにくっついている姿しかイメージになかったので、やや濁った水の向うに10匹前後の群れが中層を泳いでいるのを見たときはちょっと意外な感じがしたものです。思いのほか泳ぎは上手く、アッという間に見えなくなってしまいました。

よく見ると「仰向け」に寝ていることが分かる

上下の形態に差が少ない独特な体型

群れがいた場所の近くに、1匹だけ砂地に横たわるコバンザメがいました。可哀想なことに口には釣り針が引っかかっていて、なんとなく元気がない感じ。近くで見ると思ったよりもずいぶん大きく、70〜80㎝ぐらいはありそうです。動く気配もないので、近寄って頭のアップを撮ろうとすると・・・あれ?、コバンがない・・・。あまりに自然な姿勢だったので初めは気付かなかったのですが、実は背中側を海底につけて仰向けに横たわっていたのです。やがて、むっくりと起き上がり、ゆっくりと泳ぎ始めたのですが、この時は背中を上に向けて普通の姿勢になりました。どうやら何かに寄り添うときのコバンザメには上下など関係なく、大きなさかなであれ海底であれ、身を寄せるものがあれば背中側を向ける習性があるようです。

コバンザメの背中にコバンザメ乗せて・・・

コバンザメにひっつくコバンザメ

その後、別の場所で偶然泳いでいるコバンザメとすれ違ったのですが、急なことだったので1カットだけ撮影することができました。一瞬のことでその時はまったく気づかなかったのですが、後で画像をチェックしたら、なんと背中に小さなコバンザメがひっついています。親亀の背中に子亀を乗せて・・・というのは聞いたことがありますが、まさに親コバンザメの背中に子コバンザメ!? 小さいコバンザメは黒い帯がクッキリと出ているので、近似種のスジコバンかとも思いましたが、体型などから判断するとたぶんコバンザメの幼魚でしょう。

マンタとかイルカにつくコバンザメの映像などはよく目にしますが、群れを作って泳ぎ回るという生態は初めて知りました。海峡内にはイルカの群れなども回ってきますが、とくにその場所の近くにコバンザメがつくような大きな海洋生物が多いとも思えません。近くにマグロの養殖場があるので栄養が豊富ということはあるかもしれませんが、なぜこの場所にコバンザメが群れるのかはまったくの謎です。一緒にいた幼魚との関係も気になりますが、そこにはまだ知られていないコバンザメの社会的生活が隠されているのでしょうか?



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