ヒラベラ問題

モンヒラベラ 2014/01/11 奄美大島

モンヒラベラ雌型 2014/01/11 奄美大島

気がつけば100万アクセス間近。最近は更新もいい加減なのに、ありがたいことです。キリ番の方にはなにかしないといけないかな・・・。

さて、ミステリーサークルが見られるポイントは現在2か所あるのですが、そのうちのひとつのポイントではテンスの仲間がよく見られます。ファンダイビングでよく潜る水深12mぐらいまでではそのほとんどがヒラベラで、ホシテンスも見られることがありました。水深16mぐらいに作られるミステリーサークルが注目されてから、ファンダイビングではあまり行かないこのエリアにもよく行くようになったのですが、今回、この深度で見られるテンスはヒラベラでもホシテンスでもない別の種らしいことに気がつきました。おそらく、モンヒラベラ(Iniistius melanopus=英名Yellowpatch razorfish)だと思うのですが、石垣島で初めて紹介されたときも「わりとレア」と言われた種です。魚類写真資料データベースにもまだモンヒラベラの画像は掲載されていませんし、前回このブログで取り上げた時には学名がXyrichtys melanopusだったのが、今回調べ直したらIniistiusに訂正されていたことからも、この種の分類は最近まで混乱していたことが察せられます。

メスを訪問するヒラベラのオス

以前からおなじみのヒラベラ(Iniistius pentadactylus=英名Fivefinger wrasse) は、やはり12mより浅いエリアで普通に見られました。オスは目の後に5つの斑点がありこれが英名の由来になっていますが、複数のオスがそれぞれレック(訪問型なわばり)を形成しているようでした。正確な広さは確認していませんが、透明度から推し測って20〜30m四方ぐらいの範囲にメスが数匹いて、オスは順番にメスのいる場所を巡回していました。ヒラベラとモンヒラベラ(?)は、12m前後を境に深度で棲み分けているようです。

モンヒラベラのオスと思われるが・・・

モンヒラベラのオスと思われるが・・・

さて、モンヒラベラらしき別のヒラベラですが、メスと思われる個体は石垣島で見たものとほぼ同じで、ネットで検索された画像もほぼ同じ外見でした。一方、石垣島では見られなかったオスと思われる個体もいたのですが、こちらは海外のデータベースに掲載されていたオスの画像と較べると、悩ましい違いが見られたのです。オスの特徴は臀鰭と体側に黒い斑点が出ることですが、モンヒラベラとされる画像では大きな黒点が体側中央の白斑の上にあるのに対して、今回見た個体は目の直後上方にあるのです。このオスはヒラベラのようにメスを訪問する行動をとっていましたから、もしオスがモンヒラベラでないとするとメスのほうも違うということになります。

モンヒラベラの近縁にはハゲヒラベラ(Iniistius aneitensis=英名Yellowblotch razorfish)や、和名のない種類(Iniistius baldwini=英名Baldwin’s razorfish)もいて、共に日本の南西諸島でも確認されているらしいのですが、ネット検索でヒットした画像を見るとこれらと混同している例も少なくないのではないかと思えます。ハゲヒラベラは灰褐色の横縞が出ていれば違いは明白なのですが、どうやら縞が消えることもあるらしく、こうなると見分けることはかなり難しくなります。また、問題の黒い斑点の位置については、いずれの種も奄美の個体のように目の直後にあるものはなく、このことを識別点とするとどの種にもあてはまらないということになってしまいます。

奄美の個体が地域変異または個体変異なのか、あるいは今回挙げたどの種とも違う種なのか?  テンス類に関する情報はあまりに少なく、まだまだ悩みは続きそうです。

 

 

 



“ヒラベラ問題”に1 件のコメント


  1. 木谷治江

    原様
    ご無沙汰いたしております、三月には海で逢いたい展を拝見させて戴くのを楽しみに致しております。
    実はシニアダイバースがらみで大方先生にお逢いする機会が有りましたが、確か今年は大方先生は歳男で72歳におなりと思います、写真のグループの方々でお誕生日会の計画はおありでしょうか?又、参加させて戴けるようでしたら嬉しいのですが如何でしょうか?  木谷治江