見るほどにミステリー

砂埃をあげてサークルづくりに励むフグ

砂埃をあげてサークルづくりに励むフグ

これまで見たミステリーサークルは卵保護の期間のみだったので、実際どのようにしてフグがサークルを作っていくのかを見ることはできませんでした。今回は9個あったサークルのうち6個は工事中で、そのあち2つはフグが作業しているところをじっくり見ることができたので、いくつか興味深い発見もありました・・・と、言うか、結果、より謎が深まったと言ったほうが正確かもしれません。ミステリーサークルづくりの様子はこのページの最後に動画でまとめてみたので、参考にしていただくとして、ここでは自分なりに感じた発見と疑問をいくつかあげてみたいと思います。

サークルを作る方法は、例えると円をピザのように無数に切り分けて、その一切れずつを直径方向に進みながら砂を掘っていく感じです。サークルは花びらのような模様ですが、その花びら1枚がピザの一切れに当たるので、1つのサークルはおよそ25ぐらいのピースで出来ていることになります。フグが進む方向は外縁部から円の中心に向かうことが多いのですが、たまに逆方向に進んでいくこともあります。どの部分を掘っていくかの順番もとくに規則性は見られず、ランダムに作業しているかのようです。外周部は二重の縁になっていますが、窪みの部分は胸鰭を使って深く掘り、掻き出した砂を盛り上げて土手の部分に。中央の土俵部分は少し浮き上がって泳ぎながら臀鰭で撫でるようにしてならしていきます。これを何回も繰り返して最終的にはあのような複雑な形にしていくわけですが、それにしても小さなフグが自分の体長の20倍以上もある巨大なサークルを、いったい何を基準にして描いていくのでしょうか?

産みつけられた卵を守るオス

産みつけられた卵を守るオス

産卵に訪れるメスにとってどれだけ魅力的に見えるかはサークルの出来栄えにかかっているようです。産卵が終わってオスが卵を保護する段階になると、サークルの外周はは手入れされなくなりますから周囲の模様はだんだん崩れ、最後はほぼ中央の土俵部しか残らなくなってしまいます。今回行った4月末は繁殖期の最盛期と思われますが、そのせいか卵保護期の最終段階になると、オスはすぐ近くに新たなサークルを作りはじめ、一時的に二つのサークルを掛け持ちすることも珍しくありません。

貝殻やサンゴ片

貝殻やサンゴをサークル内に持ち込む意味は?

サークルづくりにいそしむフグを観察していると、ときどきサークルの外から貝殻やサンゴの欠片などをくわえてサークルの中に運び込む行動を目にすることがあります。わざわざ運んで来るわりに扱いはいい加減で、置く場所もかなり適当な様子です。その後、何回もサークルのあちこちに移動させていたりもするのですが、その行動も規則性を感じさせるようなことはまったくありません。このように貝殻やサンゴ片を持ち込む目的を想像するに、(1)サークルの構造材として使う、(2)サークルを正確に描くための目印にする、(3)メスが好むようにサークルを飾る・・・といったところが考えられるのですが実際はどうなのでしょうか? 鳥類ではニワシドリなど、メスの気を引くために巣を飾る習性をもつ種が知られていますが、そう考えれば案外(3)あたりがいいセン行っているうな気もします。

知れば知るほど謎も深まるミステリーサークル。今後ももっと驚くような発見が報告されても不思議はありません。



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