長年の疑問

bunrui

 「分類という思想」 池田清彦・著   新潮選書

 フィッシュウォッチャーのはしくれとしては、やはり「新種」だの「日本初記録」なんていう言葉を聞くと、訳もなくときめいてしまうものです。その一方で、「新種」だの「別種」だのというけど、いったい「種」って何?・・・・という疑問は常に頭の中から消えることはありませんでした。何人かの研究者の方ともお話する機会があり質問してみたこともありますが、結局なにかはぐらかされたような気がして、「なるほど!!」と膝を叩くようなお答えをいただいたことはありません。

 科学というからには、なにごとも前提となる定義が大切だと思うのですが、こと「生物の分類」という問題はそこが非常に曖昧なまま、枝葉の議論ばかりがどんどん高度化しているのではないか・・・・? そんな疑問になんとなく答えてくれそうな本を見つけたので早速読んでみました。この著者、自分の見方とは異なる学説を徹底的にこき下ろすような書き方をするので、読んでいていささか辟易するところもあるのですが、僕が疑問に思っているテーマに対して真っ向から向かい合っていることは確かで、いろいろ勉強になりました。

 しかし、結論から言えば、やっぱりスッキリした理解は得られないままだったのでした。現在主流の分類法は、僕でさえなんとなく感じていたように問題だらけなことは確かなようですが、かと言ってそれに代わる案にしても、やはり素直に納得できるほどの明快さに欠けているような気がするのです。

 まあ、自然のことすべてを人間が理解できると思うこと自体が思い上がりであることは否めませんから、こんなことをくどくど考えても仕方ないのかもしれませんが、まだまだ寒くて海から遠ざかっている今日この頃。もう少し「神学論争」みたいな話を続けてみることにしましょうか・・・・。



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