ミーバイ、イラブチャー・・・・

itimonjibudai

イチモンジブダイ 沖縄名「ナカビーキヤ」。           イラブチャーの中でも区別されているみたい。

? だいぶ以前の話になりますが、沖縄で漁師さんの船に乗せてもらって潜ったことがありました。で、見たことのないさかなの名前を教えてもらおうと尋ねたところ、「あ、これねイラブチャー(ブダイ)」とのお答え。で、別のブダイを指して訊くと、「あ、あれねイラブチャー」「・・・?」

 それではとハタの仲間を聞いてみると、「あ、あれねミーバイ」。ヒメジの仲間なら、「あ、あれねカタカシ」。アジの仲間ならなんでも、「あ、あれねガーラ」と返ってきます。標準和名よりかなりゆるい分類になっているようですが、同じハタの仲間でもスジアラ(アカジンミーバイ)やアカハタ(ハンゴーミーバイ)など、大型で食べて美味しい種は別名がついているのに対して、「その他大勢」のハタ類はほとんどが「ミーバイ」で済まされているところなど現金なものです。

 しかし、分類が人間の都合に合わせて行われるなら別にこれでもなんの不自由もないわけで、美味しいもの、利用価値の高いものほど細かく分類されるというのも当然です。逆に、標準和名ではひとつの種とされているものでも、成長段階や味の違いなどで商品価値が変わってくると、市場などではさらに細かく名前をつけられたりもします。メバルなどは最近分類が見直され、4種ほどに分かれましたが、それ以前でも市場などでは「アカメバル」とか「クロメパル」などと分けて呼ばれていたこともあったようです。こうなると、分類の基準に「味覚」なんていう項目もあっていいような気もしますが、ま、これは半分冗談。

 このように、人間の都合で生物を分類すると、基準がいくつもできたりするので、人間の生活上は便利でも科学的にはまずい・・・・ということになるわけです。何年も前にササノハベラがアカササノハベラとホシササノハベラの二つに分かれ、ダイバーの間でも話題になったものでしたが、これだって一般人にしてみれば「あー、そうですか」みたいなもので、だからと言って海の中で見るササノハベラが変わったわけでもなければ、そのことで生活が豊かになったなんていう人もほとんどいないわけです。「じゃ、なんのために分けるわけ?」というギモンに対しては、「生物はもとからある種に分かれていて、科学の力でそれを解明するのです!」という答がとりあえずは手っ取り早い・・・・。

 こうして、「自然分類」を人間の言葉に翻訳するたるめに、どのような定義づけをすればすべての輩を納得させられるような分類大系が完成するのか・・・・というお話となっていくのですが、この先がまた百鬼夜行の世界。なんだか続けていくのが面倒くさくなってきちゃったなぁ・・・・。(笑)



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