アゴ・マクラつき

ギンガハゼ 2010/04/29 石垣島

ギンガハゼ 2010/04/29 石垣島

 マスコミ業界には「アゴ・アシ・マクラつき」などという業界用語がありますが、要はスポンサーが宿代・交通費・食事代を負担して取材に来てもらう・・・・ということ。メディア側としてはネタさえ面白ければ取材費が安く上がるし、スポンサー側としてみれば広告を出すより安く上がるという、ま、一種の「共生関係」(度を超すと「癒着」ともいう)ですな。で、海の中の「共生」にも、「マクラ」「アゴ」についてはいろいろ取引関係があるようです(コバンザメとかソメンヤドカリなどは「アシ」もかな・・・)。

 共生といえば代表格のように引き合いに出されるハゼとテッポウエビに関して言うと、まずエビは「マクラ=宿」を提供する。で、ハゼはなにを提供するかというと、「見張り役」を引き受けるというのが定説です。では「アゴ=食事」はどうかと言うと、どうやらこれも共生関係の一要素らしいのです。


ギンガハゼの採餌

 動画の最初の部分を見れば分かるように、ギンガハゼは砂を口に頬張り、中に潜む底生生物などを濾し取るようにして食事をします。しかし、砂が固ければ表面近くにいる餌しか取れません。よくフィンワークのヘタクソなダイバーや、髭で砂をほじくり返すヒメジの後を、ベラなどがついて回る姿を見ますが、これは砂の奥底のほうにいる小生物が巻き上げられるのを狙っているわけです。同じように、テッポウエビが掘り返した砂の中にも餌はたくさんいるわけで、今回観察したギンガハゼも盛んにエビが浚渫した砂を突付きまわしていました。たまたま、この場所のギンガハゼはダイバーを恐れない性格なので、そのような行動をずっと見せ続けてくれたのですが、周囲が安全な場合はこれがごく自然な行動なのでしょう。

 まさに、ハゼにとっては「アゴ・マクラつき」のおいしい話ですが、こうなると共生とは言ってもかなりハゼにメリットが多く、「片利共生」に近いような気さえしてきます。唯一認められる役務の「見張り」だって、エビの後からイソイソとついていく姿を見るととても「アゴ・マクラ」に見合うほどのものではないような・・・・。生き馬の目を抜くマスコミ業界だって、そりゃ許されませんぜ!



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